単に起業するということに関しては特に個人で必要な資格はありません。

もちろん起業する事業そのものに資格や許可が必要な場合は必須です。

歯医者さんなら歯科医師の免許や開業の許可、電気工事屋さんなら最低でも第二種電気工事士免許や建設業の届出、飲食店なら食品衛生責任者の許可などです。

ただ、一般的にイメージされている許可や免許が必要ない場合もあります。

上記の例でいうと、電気屋さんは一現場500万円を超えない場合は建設業の許可の取得義務はありませんし、飲食店では調理師免許がないとダメだと思っている方も多いですが、調理師免許取得者は食品衛生責任者の資格が自動付与されるので、そのまま開業できるというだけで、実際には調理師免許自体は必要ありません。

逆に、近年流行りのマツエクサロンなどは無資格で行っている方もいらっしゃいますが、きちんと美容師免許を持った方しか施術できませんし、保健所への届け出も必要です。

このように、あなたが抱いているイメージと、実際のルールが違う場合も多いので、挑戦したい分野で必要な資格や許可を事前にしっかり調べることが必要です。

今はネットですべて情報が載っていますし、必要であれば専門家の方に確認することをおすすめします。

「なんだ。じゃあ私が起業したい事業は資格いらないから余裕じゃん。」と侮るなかれ。

確かに起業において免許や資格、許可が不必要な業種もたくさんあります。

しかし、起業というだけで全員が対象になる届出があります。

しかもこの届出をだした瞬間からあなたは経営者となり、事業を行っている限り継続的に行っていく業務も永遠につきまといます。

会社員やアルバイトだったときは、所属している会社があなたに代わって、面倒な書類や税金の支払い、その他必要な労務・会計手続きをしてくれていましたが、起業するとなるとその辺りの手続きや会計をご自身で行う必要があります。

その際、個人事業主として起業するのか、法人として起業するのかで大きな違いがでてきます。

両者ともに事業主として上記の手続きを行う責任があることに関しては変わりないのですが、意外と起業している経家者の方でもこの違いを明確に答えられる人は少ないと思います。

簡単にいうと個人事業主は「個人」つまりあたな自身のことです。

税務署にいって開業届を提出し、市町村に必要書類を提出すればすぐに開業が可能で、お店の名前やサービス名などの屋号というわれる名前をつけて開業することも可能ですが、あくまで「あなた=事業体」ということになります。

それに対し、株式会社や合同会社、一般社団法人などと呼ばれる一般的に会社っぽいやつは「法人」と呼ばれひとつの法人格としてみなします。

登記という個人でいう戸籍のような手続きを行い、あなたとは別人格の事業体が生まれます。

手続きは個人とは違い少しお金と時間がかかります。

この法人を作ることであなたはあなた、法人は法人として税金や信用情報などすべてが別物として扱われます。

個人ではすべての事業の手続きが個人に依存するので、例えば役所の手続き、借り入れ、契約などあなたの印鑑やあなたの情報が必要になりますが、法人では法人に所属するものであればすべての手続きが可能となります。

トヨタの社長が毎回手続きのたびに市役所に行って本人確認をして印鑑を押していると思いますか?

答えはノーです。

法人という一つの人格を法的に作り出すことによって、個人に依存せずに業務を遂行することが可能となります。

では、これから起業したいあなたはどちらを選べばよいのか?そこが一番肝心です。

結論から言うと答えはありません。

一般的には個人事業主から開業し、売り上げや規模に応じて法人化する場合が多いですが、これは税金対策面が大きいといわれています。

逆に、取引先が法人相手でないと契約できない場合などは最初から法人化が必要となってきます。

要するに、どんな規模で誰を相手にどんな商売をはじめてどんなビジョンを描いているかによって適正な開業の仕方は異なってきます。

一番やってはいけないことは「会社のほうがかっこいいから」という無意味な理由。

近頃では、個人事業主の集合体でテレビCMをしているIT事業の組織もありますし、フリーランスやSOHOなどが大手から依頼を受けて仕事をしているケースも多々あります。

確かに法人の方が一般的には社会的信用があるといわれていますが、なんとなく法人のほうが仕事をもらえそうと考えているなら、そもそも起業なんかしないほうが良いです。

どんな大企業や上場企業でも最初は小規模事業でした。

あなたのスキルや経験に自信をもって「どんな事業体であっても挑戦してやる!」という志が一番大切な資格です。

そして、起業したから何でも自分でやろうとするのはおすすめしません。

いくら経営者とはいえ向き不向きがあります。

私自身、経費削減を理由にすべてを自分で行ってきましたが、結果的には本業に割く時間や能力を奪われてしまいました。

今は、面倒なことはアウトソーシングして、自分の得意分野を活かしやすい時代になりました。

不慣れなことに取り組んで経費削減をするなら得意分野で稼いだ方が得策です。

fuzzysではあなたの現状をカウンセリングして、どのような事業体で始めればよいかという相談や面倒な業務のアウトソーシング先のご提供も行っています。

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今回のまとめ

・起業そのものには資格はいらない
・資格が必要な業種もある
・起業するには開業の届出が必要
・開業する事業体に正解はない
・どんな事業体でも起業するという思いが一番大事
・得意分野を活かして不得意分野を外注する